大型車用トルクレンチ! その問題点・・・

先日の記事
「トルクレンチを使用しています!」
の続きになりますが、今回は大型トラック・バスのトルクレンチについて説明したいと思います。
 ここ数年間で多発した「車輪脱輪事故」の影響で、国土交通省の通達があり
大型車も、 トルク管理(トルクレンチを使っての増し締め)が義務付けられました。なので、当店でも大型車用トルクレンチを用意しました!!しかし、実際問題、大型車のトルク管理には問題がたくさんあります・・・。
大型車輌用 トルクレンチ.jpg
 画像に並べた小さいのが乗用車用トルクレンチ。大きいのが大型車用のトルクレンチです(比較画像は、300ml.ジュース缶)。見て分かるように、大型車用のトルクレンチを使用するには、まず一人でトルク管理作業をするのは困難です・・。また、大型車の大半は、タイヤが10本前後付いてあります。リアタイヤはダブルになっており、内側のナットを締め付けたあと一度トルクレンチで締め付け、また外側のナットを締め付けた後のトルクレンチで締め付けてと、作業時間が相当かかります・・。ここまでの問題点は、作業する側(当店)の努力次第で解決される問題点ですが、ここからが本当に問題になる内容なのです。
今回、国土交通省からの指示では、「大型車もトルク管理をしなさい!規定締付トルク は540~590N・m(55~60kgf・m)!」なんて具体的な数値も出ております。問題は、この数値なんです。新車時の新品ホイールの締め付けトルクは、この支持通りでいいと思います。しかし、タイヤ・ホイールの脱着作業の多い大型車は、ナット締め付けのホイール穴が広がってきます。つまり、何度も着け外ししたホイールには、国土交通省からの規定締付トルク数値では、ゆるいんですよ。。。
先日あった、実際の話です。当店のお得意先から1本の電話が入りました。
「うちのバス、手で回せれるぐらい、ホイールのナットが緩んでますが・・」
当店で、数ヶ月前にタイヤ交換させていただいたバスです。当店の締め付けミスかと思い、慌てて御社まで向かいました。確かに、手で軽く回せれるぐらいナットが緩んでいました。その後、御社のタイヤ担当者の方にお話を聞くと、当店でタイヤ交換をさせていただいた後、このバスをディーラーへ車検に出されたそうです。こう聞いたので、車検に出されたディーラーの方に尋ねてみると、

ディーラー側:「はい。こちらで、そのバスの車検整備をさせていただきました。タイヤ・ホイールを脱着しました。取り付け後、国土交通省からの指示通り、規定締付トルク数値でトルク確認しました。」
だそうです・・・
当店:「今回、こういうことがありました。その国土交通省から指示されている規定締付トルク数値では、締め付け足り無いようなので、もう少し強く締め付けてもらった方がいいと思いますが・・・」
ディーラー側:「こちらとしては、国土交通省から指示されている数値以上では、締め付けることは出来ません。あとは、お客様本人が日常点検・運行前点検で確認してもらわないといけません。」
とまで、言われてしまいました・・・
もしかしたら、国土交通省からトルク管理の指示を出された今後の方が、車輪脱落事故が増えるかも。。。

点検整備の方法、以下に詳細が掲載されています
国土交通省ホームページより
社団法人 日本自動車工業会ホームページより


明日、甲子園に行ってきます!僕の今シーズン不敗神話記録、伸ばせれるでしょうか・・・(笑)

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コメント(5)

こんばんは
そりゃ怖いですね!><
しかも融通利かないディーラーですね!
ゆるいよりきつい方がいいにきまっているのに!
怖いですよね~ほんと。

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リアルなお客様とのやり取り、同業者として大変勉強になりました。

やはりトルク改正法はディーラー側の逃げ道というか、トラックタイヤ店にとってはトルクセッター等(お金掛かりますね)の予防線を張らないととても厳しいですね。

2009年には19.5インチ以上は全部10Hになるようですし・・・

ありがとうございました。

京師美佳さん
ほんと、マニュアル通りしか動かないディーラーには、困ったもんです・・・

渡辺様
お疲れ様です。ありがとうございますm(__)m
こういう規定を決める方達というのは、おそらく、現場経験のない、机で仕事をされている方達だと思います。
世の中のどういう物でも、製作側・提供側よりも、使用している・作業している現場の方達の声を意見を取り入れないといけないと思います。
これは、僕達にも言えることだと思います。「グリップのいいタイヤだよ!静粛性能の優れたタイヤだよ!!」ってお客様に勧めても、結局は、実際に使用されたお客様の方が 良いか悪いか よく知っていると思いますよ!!

同業者の方なら、もう1件ディーラーとのお話。
→ 車検整備の時、今までディーラーでは、ナットを外さず、ドラムごし脱着していましたよね?昔、当店お客様が車検整備後、ホイールナットがゆるんできました。お客様がディーラーに問い合わせると
「うちでは、ナットを外していませんので、関係ありません。」と言われたそうです。これっだたら「うちの会社では、ナットの点検はしてませんよ!」って点検をサボっていることを言っているのと同じですよね。
そのくせ、改正された今頃になって
「タイヤ屋さんは、ナットを強く締め付けすぎてる!」って話も出されてきてるとか・・・今まで点検していなかっただけでしょう!!ってね(-。-)y-゜゜゜
これから、暑い中 大変な作業ですが、お互い頑張りましょうね!!
長々と失礼しましたm(__)m 

ありがとうございます。

人身被害者が1人でると法律が1つ増えるとか、という話をよく耳にします。
某省の自己満足というか、末端の状況など知るはずもなく、本当にこれで脱輪事故がさらに増えたらどうするのでしょうかね?

実際の話、近くの大型民間車検場はこのトルクレンチをしっかり使っていませんでした。
最後はタイヤ店に被せるのかもしれませんね(というかあまり考えていないのかも)

それにしてもホント暑いですね~
体が溶けないように頑張りましょう!

こちらこそ突然ですみませんでした。
(ミクシィもされているのでしょうか?)

渡辺様
ミクシィは していないです。みんカラはしていますが。あまり、ミクシィは理解していませんが、なんか紹介してもらわないと、できないとか聞きましたが?・・・
また、紹介してください!!

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このページは、YOSHIKIが2007年7月 3日 07:44に書いたブログ記事です。

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